パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

ドボルザーク交響曲9番ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー

右肩下がりで低迷しているビシュコフとしてはチェコ・フィルで何とか踏ん張って欲しいものだ。ドボルザークの「新世界」も堂々たる王道を行くかと思うと、結構そこは肩透かしを食わせておいて、また満更でもないユニークな解釈を提示して人をうならせるのである。
 これが所為低迷している証拠かとも思わせるが、無視できない奇才ビシュコフの面目を施してもいるのである。


今夜のベストオブクラシックはチェコのドボルザーク音楽祭での「新世界」の定番を、ビシュコフ指揮チエコ・フィルで放送された。(2020・9・4)


第一楽章。
148小節の方ではあまり目立たなかったのだが、再現の369小節のバイオリンのリテヌート(テンポを落とす)は十分目立った。

奇才ビシュコフの面目躍如演奏になった。


第二楽章。
20小節のクラリネットの音型に、ラレンタンドを掛けてテンポを次第に落としたのも見逃せない。


さらに、95小節のトランペットの最後の音型をリテヌートで演奏させた。

これはビエロフラーベックの先例があるので、その踏襲であるが、もう伝統的な解釈になっているのであろう。


こう見ると結構ユニークな解釈をしているわけだ。


第四楽章。
330-331小節を大胆にデフォルメして、テンポを落とした。

そういうわけで、ビシュコフのコーダは結構盛り上がった。


しかし終結を三倍ほど伸ばしたので、チェコの聴衆も目を食らったようだ。