リムスキー=コルザコフ「シェヘラザード」太田弦指揮日本フィル
今夜のブラボーオーケストラは太田弦指揮日本フィルでリムスキー=コルザコフの交響組曲「シェヘラザード」の演奏であった。音楽の性質上アゴギーク(テンポの伸縮)を駆使した演奏には驚かされた。従ってストコフスキーの演奏をレイディングケース(教本)に使っていることが判然とした。(2021・3・17)
第一楽章。
122小節のテインパニに大きなクレッシェンドを掛けて演奏したことにも驚かされた。
これはストコフスキーの影響ではなく。コンドラシン指揮ウィーン・フィルの影響なのだが、日本人としては大胆な解釈ではある。
第二楽章。
72-73小節の第一バイオリンで、リテヌート(テンポを落とす)を掛けて演奏したのにも驚いた。
ここは正しくストコフスキーの解釈の真骨頂を表している。一般的には気付かないし、再現をするのはさらに困難である。
第三楽章。
106小節のピッコロに、やはりリテヌートを掛けて演奏していた。
ストコフスキーや朝比奈隆指揮大阪フィルなどが、同様なことをしている。
太田弦がアゴギークを駆使した演奏を、この曲に限定しないで、他の音楽でもやってもらいたいものだ。思い出すのは、アントン・ルービンシュタインが一にも二にも楽譜どうりに弾けと命令しておきならら、自分では自由に演奏していた。それをヨゼフ・ホフマンが盗み聴きしていると、ウィンクしながら君がもしこのように演奏出来るなら演奏していいんだと言った。やんぬるか、ヨゼフ・ホフマンはそういうピアニストになった。
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