パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

モーツアルト交響曲39番クラウス・マケラ指揮オスロ・フィル

今夜のベストオブクラシックは、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルで、モーツアルトの交響曲39番の演奏であった。モダン・オーケストラを使ったピリオド奏法の演奏であったが、なかなか面白い演奏をしてくれた。ということでマケラは相当ボルトンの影響を受けていて、第三楽章などは見もの聴きものであった。(2020・9.2)


第一楽章。
70小節を大きなリタルダンドを掛けてテンポを落とした。

意外に古い指揮者ビーチャムがこの解釈の創始者で、ホーネックなどもやっている。今またクラウス・マケラが登場したというところか。


第三楽章。
最近の演奏の白眉はどうも第三楽章に集中しているようである。各人各様の解釈が軒を揃えていて、個性を発揮している。例によって24小節のバイオリンの下降音型で様々な解釈が出ている。

やはりボルトン指揮ザルツブルグ・モーツアルテウムの演奏が微妙なppからmfに転じた解釈をしていて、マケラはそれを受けて後半をfでアッチェレラントを掛けたといったところか。この部分の解釈の鼻祖が宇野功芳だというのが不思議である。多分影響力は全くないのだろうが、先見のめいがある。


60小節のホルンでボルトンはラレンタンドを掛けてテンポを落とし、マケラもそうしている。

65小節のクラリネットでマケラは装飾音で演奏させているのだが、これは日本の山田和樹と全く同じである。このトリオで山田は装飾音での演奏を多様しているのであるが、山田の方が一日の長があるようだ。


第四楽章の22-23で、ボルトンとマケラの一工夫があったことだけは述べておこう。