パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

ベートーベン交響曲6番コリン・デイビス指揮ロンドン交響楽団

聴衆7000人というのはいくら何でも多すぎるわけで、改めて芸術が出来るのか疑問が起こる。そういうわけで、歌舞伎の隈どりのような芸術表現が、今回のデイビスの「田園」であった。そこに面白さもなくはなかった。低弦の強調はドイツのオーケストラの特長であるが、デイビスはロンドン響でもあえてそれを強調した。(2001・11・26)


第一楽章。
冒頭は、まったくインテンポで終始した。集団でテンポの収縮を一糸乱れなくおこなうのは至難の技だからだ。

そういうわけで、3小節でのラレンタンドはなかった。14小節の8分音符でpに弱めたのがエーリッヒ・クライバー、ワルター、デイビスであった。18小節で8分音符をfに転じたのがワルターとデイビスである。つまり今回はデイビスはァーテイキュレイションに徹した。


今回の特長は低弦の強調であった。それは37-53小節に際立った。

こういう低弦の強調はバイエルン放響やドレスデンの経験が反映したわけだ。この特長は全曲に及んでいた。


66と67小節の間で間を取ったのも見逃せなかった。

345,346小節でも再現されるのだが、ワルターとデイビスは間を開けて演奏させている。


第四楽章ではテインパニの加筆はなかった。


ドイツのオーケストラ以上の低弦を強調した演奏が最大の売りであろう。