ショスタコーウィッチ交響曲5番ホーネック指揮デンマーク国立交響楽団
今夜のベストオブクラシックは、ホーネック指揮デンマーク国立交響楽団でショスタコーウィッチ交響曲5番の演奏であった。(2020・11・26)
ホーネックは、ショスタコーウィツチが5番で新しい手法を獲得し、二重構造で音楽を表現することであったと言う。表面ではスターリン賛美をしながら裏面ではそれを皮肉る手法を編み出した。その結果作曲家としては思いのほか表現の自由を獲得して、怒りと絶望はドラマと感情の高揚をもたらしたという。
この演奏ではそれほどの解釈は見られなかったようだ。意外に陰鬱な音楽で、これがソビエト国家の高揚を標榜したとは思えないほどである。第四楽章のコーダの演奏がホーネックならではの特異性があった。
テインパニの終結のテンポ感は独特のものがあった。
142小節で、モルト・リテヌート(最大にテンポを落とし)でff、143小節ではさらに2倍のテンポの落ち込みダイナミクスはfffと増大させた。
さすがにデンマークの聴衆はソフィストケイトされていて、ショスタコーウィチの音楽には共鳴することなく、冷やかな反応のようであった。
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