ブラームス交響曲1番チョン・ミョンフン指揮東京フィル
今夜のブラボーオーケストラは、チョン・ミョンフン指揮東京フィルでブラームス交響曲1番の放送であった。ますます円熟味を増す指揮振りがあった。(2021・7・2)
第一楽章。
序奏は禁欲的でダイナミックスを押さえて開始されたが、それだけに28小節のテインパニをわずかの間にクレッシェンドさせた効果はてき面であった。
第二楽章。
15小節の第一バイオリンの3つの8分音符をfで強く演奏させていたことも特徴があった。
第四楽章。
166-167小節のテインパニで、2小節にわたる長いクレッシェンドがあり、クレッシェンドの頭でダイナミックスの変更をする教科書が一時期のトスカニーニの演奏であったようだ。というわけで、トスカニーニ、飯守泰次郎、チョン・ミョンフンが同じ箇所でmfにしている。
168小節がfになっているから、mfになるわけだが、そうでなければ当然fということになろう。そういう教科書になっていた演奏である。
269-270小節の例のホルンの加筆2回は、あまり加筆をしないチョン・ミョフンは2回やっていたようである。
285小節で、チョン・ミョフンは、4分休符の上にフェルマータを掛けて大きな間を置き、p<ffというダイナミックスをおこなった。ここが今回の最大の見せ場となった。
この演奏の山場をチョン・ミョンフンの円熟味と捉えたい。
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