パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

才気走るクラウス・マケラ指揮スウェーデン放送交響楽団ドビュシー交響詩海

若干24歳の若手指揮者クラウス・マケラのドビュッシー交響詩海の演奏には参りました。改訂版で押し切るかと思いきや第三楽章は初版のフェルマータを復活する。また大胆なリタルランドを掛けるやら。


今夜はクラウス・マケラ(1996-)指揮スウェーデン放送交響楽団でドビュッシー作曲交響詩海の演奏でした。(2019・8・26)


第一楽章。


ティンパニが2小節以下続かず、すぐバイオリンの音が聞こえて、これは改訂版の演奏だということは判明しました。
若干24歳のマケラではこういう詮索は無理かな。


こんな名演を中抜きで、次は第三楽章。


練習番号55の前1小節のオーボエに、マケラは大きなリタルダンドを掛けました。
24歳の若手指揮者のやる所存ではないな。


しかしマケラに敬意だ。本当にこれは大胆だ。


練習番号61の前4小節の金管に、マケラはffで演奏させた。これは彼の独創的な解釈だった。


そして62の1-2小節のホルンに改訂版は4小節反復する音型を演奏させている。


初版では後半はフェルマータを掛けて延ばすようになっているらしく、色々な指揮者はまた見識でそれを採用している。


ベースは改訂版のマケラは、ここで初版を採用して演奏させたのである。


24歳とはいいながら、本当に才気走る若手指揮者である。弱冠才気ばしるとは否定語だが、才気走るとなると褒め言葉になる。