スダーンのライブのCDの演奏というから、スダーン本人のリクエストによるCD化なのだろう。彼のキャリアの中でも自分の業績になる名演だったのだろうが、世界的にみて29番の名演の中でも屈指の名演であったことは間違いがない。 2006・2・25の演奏会の録音で、CD番号は(TSOCD-003)。 第一楽章... 続きをみる
2021年1月のブログ記事
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かなりヤバイ人だ。「題名のない音楽会」に出演する音楽家は温厚実直な好人物ばかりだが、そこに出演した鈴木優人もそのようであった。しかし今夜の指揮者鈴木優人はそれでは収まり切れないものを持っていた。毒を持った人物だからこそ、N響を制圧して自分の色を出せたのであろう。やはり好人物では伏魔殿のような巨大組... 続きをみる
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NHKテレビの「日本人のおなまえ」で、1979年に大ヒットした久保田早紀の「異邦人」の裏話が紹介されていた。副題が「中央線からシルクロード」とあり、歌手の久保田早紀はホークソングの一種として日常の中央線あたりの生活を歌いあげたものだったが、レコード・プロデューサーの酒井政利に見出されて、シルクロー... 続きをみる
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ブルックナー交響曲8番ドホナーニ指揮NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団
近年稀に見る名演であったといえよう。全編隅々までブルックナーの音がした。第4楽章はノバーク版にハース版を取り入れた巧妙な細工がしてあって、ドホナーニの精密な考えに触れるおもいであった。 今夜のベストオブクラシックは、ドホナーニ指揮NDRエルプフルハーモニー管弦楽団で、ブルックナー交響曲8番の演奏で... 続きをみる
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サロネンで4番を聞いたことがあるが、7番では同様の印象を持った。ブルックナーの音がしなかったということだ。メロディーラインを浮上させることもないし、バイオリンの旋律は常に木管に邪魔されてしまう。強調よりは平均的なサウンドを求めている。とはいえ面白くないかといえば、それはあった。第二楽章などはなかな... 続きをみる
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ずばり3楽章までは手つかずで、第4楽章のみ研究済みといったところか。(その差は歴然)この調子で前3楽章の研究を乞う、といった大甘の評価です。但し第4楽章はすばらしかった。この人は才能があるのですから、育てましょう。 今夜のベストオブクラシックは、ユロフスキー指揮ベルリン放送交響楽団でブルックナー交... 続きをみる
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ブルックナー交響曲2番カルロス・カルマー指揮アイルランド国立交響楽団
カルロス・カルマー(1958-)は、ラテン系の名前だが生粋のオーストリア人で、ウィーンに音楽を学んだ人のようだ。第二のカルロス・クライバーといったところか。それは決してはったりではない。この地味な音楽でフィナーレの盛り上げ方はさすがなものだ。 今夜のベストオブクラシックは、カルロス・カルマー指揮ア... 続きをみる
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モ-ツアルト交響曲35番マンゼ指揮ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団
マンゼ(1965-)は古楽派の指揮者だが見るべきものがあった。交響曲35番ハフナーが前菜(サラダ)でメイン・ディシュ(ごちそう)がピアノ協奏曲26番という本末転倒なプログラムを組んだが、やはり御馳走は35番の演奏であった。 今夜のベストオブクラシックは昨年のザルツブルグ音楽祭で、マンゼ指揮ザルツブ... 続きをみる
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モーツアルト交響曲41番アダム・フィッシャー指揮サルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団
アダム・フィッシャーの荒れ狂ったテインパニのffの連打は、ザルツブルグを古楽器派に明け渡す伝統派の断末魔のもがきではないかと受け取った。実に聞くに堪えない暴挙であった。フィッシャーの強烈な足音は、会場にいる観客には迫力となって感銘を与えたのではないかとは思われるが、どこか空虚なもがきあがきのように... 続きをみる
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モ-ツアルト交響曲29番カプアーノ指揮ザルツブルグ・モ-ツアルテウム管弦楽団
カプアーノ(1968-)の指揮は衝撃的であった。 フランツ・ブリュッヘンを拒否したザルツブルグ音楽祭であったが、モーツアルテウム管が完璧な古楽器演奏に変貌し、(後日のアダム・フィッシャーのジュピターは見ものだ)古楽器奏法の勝利という決着を見た。パウムガルトナー・ワルター・ベーグと続くロココ・モーツ... 続きをみる
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ベートーベン交響曲第3番クレンペラー指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団1970・5・26
クレンペラー最後のベートーベン・チクルス、交響曲3番1970・5・26 第一楽章。 大変遅いテンポで開始された。 86-94小節、楽譜通りの指定によって、彫りの深い解釈が見られた。 86小節のフルートでは、モルト・リテヌート(大きくテンポを落とす)をおこなった。さらに93小節ではモルト・リタ... 続きをみる
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クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団ベートーベン交響曲全集1970年
1970年のクレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管のベートーベン・チクルス とうとう1970年におこなられたクレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団によるベートーベン交響曲全曲演奏会の記録を入手した。 一段とテンポが落ち、それでも演奏が破綻しないところが、この演奏のミソである。限りなく... 続きをみる