パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

2020年2月のブログ記事

  • フィナーレで大どんでん返しをした尾高忠明指揮大フィルのブルックナー第三番

    尾高忠明はブルックナー交響曲第三番フィーナーレで大どんでん返しの意匠をこらした解釈を提示した。あるいは小林亜星のちゃぶ台返しと言ったらいいか。あっぱれと言うしかない。 今夜のNHKFMは、尾高忠明指揮大阪フィルによるブルックナー交響曲第三番「ワーグナー」の演奏であった。(2020・1・16) 第一... 続きをみる

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  • シューリヒトの影響を受けたヤルビ指揮のブルックナー交響曲第七番

    パーボ・ヤルビの円熟は只者ではないと思っていると、やはりシューリヒトの多大な影響がありました。なるほどと納得できる名演でした。ブルックナー交響曲第七番は次世代に継承される伝承芸を得たわけです。 今夜のNHKFMのN響定期公演ライブは、パーボ・ヤルビ指揮ブルックナー交響曲第七番の演奏でした。(202... 続きをみる

  • 時代錯誤のシンバルを加えたヤノフスキのブルックナー交響曲第八番

    ヤノフスキはなぜ時代錯誤で悪しき伝統と言われたシンバルの加筆を、クナッパーツブッシュは1回なのに2回も演奏させたのか。彼は確信犯である。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは、マレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン・フィルでブルックナー交響曲第八番の演奏であった。(2019・8・31) ブルックナー... 続きをみる

  • エコーの「バラの秘密」とラトルの「大地の歌」の関係

    ラトルのマーラー交響曲「大地の歌」第四楽章「美について」の解釈が傑出していた。「美について」なら、さぞ美しい解釈にしなければならないだろう。そこをラトルは諧謔性(ユーモア)と解釈して徹底的にデフォルメしたのだ。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックはサイモン・ラトル指揮チェコ・フィルで、マーラー... 続きをみる

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  • ギュルケ版を使用して成功したジョルディ・サバール指揮「運命」

    古楽器演奏はどことなく研究発表会臭いきらいがあるものだが、サバールはギュルケ版「運命」の楽譜を使用して、圧倒的な迫力を発揮した。とりわけ第三楽章と第四楽章との連結では当代の巨匠の解釈に古楽器演奏の陣営から一泡吹かせた大逆襲を放った。お見事でしたと敬服した。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは... 続きをみる

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  • 自然皮のティンパニの音甦る屈指の名演マタチッチ「レオノーレ」第三番

    この演奏の最大の魅力は自然皮の昔懐かしい玄妙な響きがするティンパニの音だ。ベートーベンはこの音を聞いて作曲したのである。それにホールの響きがいい、録音は当時としては驚異のステレオ録音だ。この好都合をさらに上回るマタチッチの名演が良かった。三拍子、四拍子揃った名演だった。 今宵のN響ザレジェンドは、... 続きをみる