ブルックナー交響曲7番サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団
サロネンで4番を聞いたことがあるが、7番では同様の印象を持った。ブルックナーの音がしなかったということだ。メロディーラインを浮上させることもないし、バイオリンの旋律は常に木管に邪魔されてしまう。強調よりは平均的なサウンドを求めている。とはいえ面白くないかといえば、それはあった。第二楽章などはなかなかのものだった。
今夜のベストオブクラシックは、サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団でブルックナー交響曲7番の演奏であった。(2018・9・30)
第二楽章。
49-50小節の第一バイオリンで、長い16音符の階段にサロネンはラレンダンドを掛けてテンポを落とした。
132-133小節の木管から第一バイオリンに受け継がれる所でリタルランドを掛けてテンポを落としつつ橋渡しする巧みさには感心した。
192-193小節のホルンで、サロネンはタイ記号を付けて演奏させたが、これは類例がない。
192小節の最後の音と193小節の2分音符にタイ記号をつけて一塊にさせたのはサロネンの卓抜さであろう。
第三楽章。
65-67小節の金管にサロネンはダイナミクスの変更をした。
65小節でppにさせて、67小節でffに転じさせたのである。
この箇所は小沢征爾、若杉弘、クレンペラーが腕を披露している。もしかしたらサロネンはクレンペラーへのリスペクトがあっかかも知れない。
さてフィナーレのコーダだが、盛り上げがなかったが、ロンドンの聴衆は熱狂していたので、これは見解の相違ということだろう。
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