パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

ブルックナー交響曲5番ユロフスキー指揮ベルリン放送交響楽団

ずばり3楽章までは手つかずで、第4楽章のみ研究済みといったところか。(その差は歴然)この調子で前3楽章の研究を乞う、といった大甘の評価です。但し第4楽章はすばらしかった。この人は才能があるのですから、育てましょう。


今夜のベストオブクラシックは、ユロフスキー指揮ベルリン放送交響楽団でブルックナー交響曲5番の演奏であった。(2020・3・8)


第4楽章。
195-196小節の金管にユロフスキーはリタルランドを掛けたあたりで本調子が出てきた。

次に、386小節だ。

386-387小節の金管、マタチッチ指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏が、リテヌート(テンポを落とす)で演奏させているのだが、ユロフスキーがこの解釈を踏襲していた。つまり非常にオーソドックスな解釈をしていたわけだ。


さて、454小節の木管でラレンタンド(テンポを落とす)に、456小節のバイオリンでアッチェレランド(テンポを速める)といった伸縮(アゴギーク)をやっている。これが三度反復されるので、切迫感が盛り上がった。


コーダのユニークさに触れなければならない。


ダイナミックスが極地に達すると、ユロフスキーは624-625小節を使ってppに落とすのであった。これはユニークだ。

629小節の4分休符で、ユロフスキーは4分休符にフェルマータを掛けて長い空間を作ると、テインパニだけが長く叩き続けることになり、それを利用してテインパニにクレッシェンドを掛けたのである。そしてマタチッチは次のアタッカ(総奏)に大きなリテヌート掛けてテンポを落とすのだが、ユロフスキーもそうした。


ベルリンの聴衆は熱狂的な拍手を送ったようだ。