身振りは豚骨味は東京ラーメン広上淳一指揮東フィルの「スラブ行進曲」
広上淳一は身振りは山岡家のコテコテの豚骨ラーメンだが、味は薄味でそれほどでもないと思っていた。東京フィルでフェドセーエフの「スラブ行進曲」と比較してみると、まったくレシピが同じなのに愕然とした。としたら広上淳一の認識を新たにしなければいけない。
今夜のブラボーオーケストラは広上淳一指揮東京フィルでチャイコフスキー作曲「スラブ行進曲」の放送であった。(2019・2・3)
フェドセーエフは完全な山岡家の豚骨ラーメンで、若者はそれが旨いと言う。一口味じわっただけで、若者を納得させる。臭さが納得。その点広上は身振りは豚骨だが、味は東京ラーメンのさっぱり味である。その落差に付いて行けなかった。東京ラーメンの煮干しと鳥ガラのスープにも味わいあり。それを「スラブ行進曲」に見た。
行進曲の後半に入る187小節で、フェドセーエフと広上はほとんど同じ解釈をする。
二人はほとんど同じ箇所でPにしている。緑色がフェドセーエフで、青色が広上である。解釈が重ならないところがいい。
213小節に入る転換点で、二人はどっこいどっこの解釈をしているのだ。
212小節で、フェドセーエフはポコ・リテヌトにテンポを落としたが、広上は1つのユニットにして前半と後半を1:2といったユニット単位でテンポを落とすのである。
これはいささかユニークな解釈で、オーケストラを相当悩ましたのではないか。
後半のテンポの揺らしは独特なものであった。
フェドセーエフの方が理にかなった伝統的な解釈である。
二人の解釈の違いが顕著であったのは、220小節であった。
フェドセーエフは219小節後半でリテヌートにした。
広上はリタルランドにしたのだ。
一方は2つの音符に定量の揺らしを掛けたわけだが、広上は1:2:3と次第にテンポが落ちてゆく揺らしを掛けたのである。
どちがが良いかは、好みになった。まさに豚骨と鳥がら・煮干しは優劣ではなく好みの問題に至ったのである。
同じ俎上で包丁さばきの異なりを、フェドセーエフと広上はしたのである。
広上に豚骨の味を出せというのは無理な相談であろうから、一層煮干しを強烈に使用した強烈煮干し出汁というラーメンがあるくらいだから、そういう変化を望みたい。ともかく現在は味が薄くて、味が感じられない風である。注意して味あうと、意外やしっかり味がついている。なら煮干しを増量してパンチを効かせろ。
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