パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

スクロバチェフスキ指揮NHK交響楽団のブルックナー交響曲第八番(1)

スクロバチエフスキ(1923-2017)は93歳で死んで、2016年にはなおも来日公演があったといえば、2006・5・12の演奏はさらなる11年の深化を考えると、過渡期の演奏と言えなくもない。そんな詮索は後にして、詳細を追ってゆくことにしよう。


第一楽章。
冒頭の原始霧は重たいテンポで開始された。やっと霧が晴れたかとおもうと、そこにとんだハプニングがあった。141小節のホルンで、ホルンが音をひっくり返えしてしまった。


まあさほど難所ではない。ご愛嬌というものだろう。
それよりも、150小節のオーボエで、スクロバチェフスキはラレンタンドを掛けて次第にテンポを落とさせたのである。この解釈はスクロバチェフスキの独創性である。


541小節の縦線でフェルマータを掛けて、長い休止をさせた。


540小節で旋律が終了するので、場面転換が必要になってくると考えたのが、フルトベングラーとクナッパーツブッシュで、まあドイツの伝統的な解釈で、それを是とスクロバチェフスキも考えたようだ。


370-387小節のテインパニで、スクロバチェフスキは最後の4分音符を必ず鋭いアクセントを掛けさせていた。


しかしどうゆうわけか374小節の4音符にはアクセントが聞こえなかったのは奏者のミスであろう。
テンシュテットはトレモロの掛った2つの2分音符をトレモロ無しで打たせていた。その方がインパクトがあるようだ。