パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

今時日本では使われない古い版を使ったケレム・ハサン指揮オランダ放送フィルのオベロン序曲

26歳の若手の指揮者が、今時日本では使われない古色蒼然とした古い版でウエーバーの「オベロン」序曲が演奏された。それに相応しい演奏がありました。


ケレム・ハサン指揮オランダ放送フィルの演奏で、ウエーバー「オベロン」序曲とブラームス交響曲第二番が放送された。(2019・7・7)


今更ながらアムステルダム・コンセルトヘボウのホールの音の響きの良さが、いやがおうもなく反響してきました。ウエーバーの自然音階をふるに使った音はホール全体に反響を呼んだようです。ホールもまた楽器であり、音楽の一部なのですね。


ウエーバー「オベロン」序曲。
10-16小節、古い楽譜にはテインパニの伴奏が付随した版があり、ケレム・ハサンはそれを使用して、テインパニが加筆された演奏をしていました。


こんな若手が19世紀の古い版の楽譜で演奏するというのは驚きですね。


106小節のテインパニの3拍目でハサンはfで演奏させました。



さて、181小節の第一バイオリンの2拍目でハサンはラレンタンドを掛けてテンポを落とさせました。



ハサンはこれをしたいがために、古い版の楽譜を使用したんですね。とても特長的な演奏になっていました。古い演奏様式には古い楽譜が似合っているということで、今では使われない古い楽譜を引っ張り出してきたわけです。


さて序曲では小回りが利いて統制が出来たようですが、ブラームスの交響曲第二番ではそうもいかなかったようです。大胆なデフォルメをすると破たんがしょうじますからね。ここは今それを押さえて無難に指揮したようです。
 第三楽章125小節でハサンは面白い解釈をしました。


124小節にrit,記号があるので、125小節でリタルランドしました。


あとは全体的に平坦な演奏で終わりました。