改めて注目フォークト版「リンツ」フォークト指揮ニュージーランド交響楽団の演奏
これはもうフォークト版「リンツ」と言っていいのでしょう。解釈の域を超えた楽譜の読みです。実際のモーツアルトの楽譜がどうなっているか。
トスカニーニが「タンホイザー」にここにテインパニがあらねばならないと加筆して、バイロイトに招かれた時、ワーグナーの自筆譜を閲覧すると、印刷譜が欠いていた音符が自筆譜にあったというのだ。
それと同じかもしれなかったフォークト指揮ニュージーランド交響楽団のモーツアルト作曲交響曲第36番「リンツ」でした。
第一楽章。
20-21、24-25小節。第一バイオリンの和音をファゴットに演奏させていた。
前回は見落としていましたが、今回はファゴットの音が聞こえました。
141小節のテインパニの2分音符にフォルクトはトレモロで演奏させていました。
第二楽章。
45-49小節はファゴットがメロディーを演奏しています。
59-63小節では低弦が演奏します。
フォークトは以上の根拠を基にしてファゴットにも演奏させているのです。これは余人には出来ない。
これはフォークトの傑出した才能を示したものだと思います。
第三楽章は遊びが足りなかった。第四楽章のコーダでの反復は、ヨッフムですらやっているのですから、反復して欲しかった。たぶん時間の都合でしょう。
かえすがえすも、フォークトの楽譜の読みに敬服しました。
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