89番の演奏では世界屈指の演奏を見せた飯森範親指揮日本センチュリーのハイドン
ハイドンの交響曲89番、どんな料理の仕方があるのか、はなはだ疑問の音楽だ。しかし見事に料理し切ったのは見事だ。
たぶん欧米のハイドンの有名なスペシャリストとて、飯森範親ほどの演奏も出来ないのではないか。
今夜のブラボーオーケストラは、飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団でハイドンの交響曲89番の演奏であった。(2019・8・9)
第二楽章。
この楽章が濃厚極まる演奏であったので、感銘した。
17、47、64小節のオーボエで、飯森は大胆にもリタルランドをかけてテンポを落とさせたのである。
今世界中の指揮者でこんな大胆な解釈をする人が存在しょうか。
感銘しきりである。
第二楽章の終りの所で、69-70小節の2つの4分音符はアクセント記号が付いているのだが、テヌートを掛けてデフォルメしたところも印象に残った。
第三楽章。
ここはもうモーツアルトのように遊んでよいのだろうが、あっさりしてしまった。
しかし印象深い所があった。
60小節の4分休符にフェルマータを掛けて、長い沈黙を与えたのが特長的であった。
第四楽章。
フェルマータといえば、この楽章でも極めて特長的に使用した。
16、84、153小節のフルートで、4小節ほどタイ記号で、長ながとフルートが吹く所なのだが、その為にフルートがソロで延々と吹くことになる。
写真の楽譜には8分休符が見えるので、分かるのだが、フルートだけの音が延々と鳴り響くのである。(楽譜にはバイオリンも奏でているわけだが、そう聞こえる。)
これは飯森の独創的な解釈に違いない。
と言うことで世界的に見ても名演であったと思うのである。
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