パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

室内楽的にしてダイナミックなブルックナーだったヤルビ指揮N響のエストニア公演

室内楽的とダイナミックとは相反するが、アンサンブルの良さとダイナミックな音響が兼ね備わったブルックナーの演奏であった。フルートのppなど十分聞こえるし、24人のバイオリンの音と同等に聞こえるというのがこの演奏の特長であった。


今夜のクラシック音楽館はヤルビ指揮N響でエストニアの残響音多重のホールでの公演でブルックナー交響曲第七番の演奏であった。(2020・2・22)


第一楽章。
163-164小節のホルンの音が実に大きく聞こえたのには驚いた。マイクが拾っているのだろうが、エストニア・コンサートホールの残響音であろう。


121-122小節にラレンタンドを掛けたのは定石の解釈であった。


163-164小節のホルンの音が大きく聞こえたのはホールの残響音の作用であろう。特にフルートがppでも良く聞こえるのだ。


387-390小節のラレンタンドも定石通りの解釈であった。


第二楽章。
192小節のホルンの解釈には独創的なものが見られた。


4つの8分音符を独特の拍子で演奏したことが注目された。
この演奏の注目点になった。


第四楽章。
313-314小節にポコ・リタルランドで、いささかテンポを落として見せた。


ここはポコでは物足りないであろう。


今回の演奏は残響音が多いコンサートホールでの、室内楽的なアンサンブルの妙と、室内楽では物足りなくなるダイナミクスが発揮されたブルックナーとしては異例な演奏であった。