パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

敬服の一言外山雄三指揮大阪交響楽団のエロイカ

確かブロムシュテッドN響の紹介が日本初演ではなかったと思っていたら、もう4年前に外山雄三が紹介していたとは、実に驚きでした。敬服の一言でした第二楽章30小節のクレッシェンド新発見の紹介です。


今夜は外山雄三指揮大阪交響楽団の演奏でベートーベン作曲交響曲第3番エロイカの放送であった。(2016・5・10)


第一楽章。
大変おもしろい解釈があった。633小節のホルンの演奏であった。


確かに以上の演奏をさせていたが、その意図は不明。


657小節のトランペットでは、意外に原符通りに演奏させていた。



さて、この演奏の白眉は第二楽章にあったであろう。
30小節のsf記号が最近cresc,記号の誤読であったことが解明されて、ブロムシュテッドはNKH交響楽団でそれを紹介したわけである。


ところが外山雄三は2016年にそれを紹介しているわけだ。


外山雄三指揮大阪交響楽団の演奏を聴くと、確かに1小節全体に渡ったクレッシェンドが聞こえる。


多分こちらの方が日本初演だろう。まったく敬服の一言であった。


第四楽章。
もう驚きはないだろうと思っていたら、348小節のPoco Anndannteに至るや、驚嘆しました。


外山雄三は、ここからフィルハーモニア版のテンポ設定を採用して、アダージオにテンポを落としました。


従来からフィルハーモニア版の楽譜はテンポ設定がおかしいという指摘があって、日本では三石精一がここからフィルハーモニア版を採用していた。


日本では外山雄三が加わったわけです。


さてその当否は如何。クレンペラーもまっ青になるテンポの落ち込みです。