パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

生誕93歳記念セルジュ・ボドのサンサーンス3番

この次の日曜日(7月26日)はボドの誕生日で、今年93歳になり健在のようである。これは全くの偶然で、この放送は5月30日の再放送とのこと、なにも生誕93歳記念日に当てたということでもないらしい。だが、この偶然を祝いたい。


今夜はセルジュ・ボド(1927・7・26-)指揮NHK交響楽団でサンサーンスの交響曲3番の演奏であった。(1982・1・27)


もはや忘れられた指揮者に属するボドだが、この演奏で甦った指揮者になったことは間違いない。つまり忘れられない演奏になったわけだ。去るものは日々に疎いというが、40年前の演奏はなるほど記憶に遠い。つい忘れてしまって顧みないのである。


第一楽章。 
Aの2-3小節のテラッセンダイナミック(段階的強弱)の付け方が良かった。


Fの前4小節のフルートでf、3小節でp、2-1小節でラレンタンドでテンポを落としたのも見逃せない解釈だった。


Nの前1小節のテンパニのトレモロでクレッシェンドをボドは掛けた。


これも見逃せない演奏だった。
さて、この演奏の白眉は第二楽章のコーダであった。


テンパニの最後の3つ音符に大きなリタルランドを掛けて終わらせたのである。


この演奏でセルジュ・ボドはサンサーンスの交響曲3番の演奏史に名を残す足跡を付したと言えるのではなかろうか。


惜しいことなから3番の決定盤、名盤は今のところないようであるが、遂にボドがとどめを刺した。録音にロンドン・フィルの演奏があるが、はたしてそうなっているか。もしそうでなければN響の演奏がとどめを刺したわけだ。