世代交代の雄ネルソンス指揮ゲバントハウス管のモーツアルト40番
世代交代の雄ネルソンスの特長を言えば反古楽器奏法の指揮者で、ゲバントハウス管弦楽団を反古楽器奏法の牙城にする気らしい。モーツアルトといい、チャイコフスキーといいロマン主義を復活する演奏であった。
それからローカルカラーともいうべき、ライプツィッヒ市民は奇声をあげるでもなく、感激を黙々と拍手するばかりなのだ。おもしろい光景だ。楽団員も聴衆もネルソンスのロマン主義過多の演奏に陶酔しきりであった。
今夜のクラシック音楽館はライプツィッヒ・ゲバントハウス管弦楽団の常任指揮者アンドリス・ネルソンス(1978-)の指揮でモーツアルトの交響曲40番が放送された。(2018・3・15)
第二楽章。
37-38小節の第一バイオリンで、ネルソンスは、おもしろい解釈を見せた。
fとpの組み合わせで繊細な強弱を出したのは出色であった。
これは108-109小節の再現でも同様の演奏をしたから、気まぐれではなかった。
第三楽章。
ダ・カーホのFineでは、終結にあたりネルソンスはリタルランドでテンポを落として終わらせた。
伝統的な古風な解釈であるが、ネルソンスがそういう演奏に傾倒している指揮者であることがわかるのである。伝統のあるゲバントハウスの聴衆はこれを歓迎しているわけだ。
第四楽章。
127小節。
耳で聞く限りでは、どうも間にある4分休符を除外して、ネルソンスは演奏したようだ。
つまり休止符で音が止まるのを良しとしなかつたらしい。
そういう楽譜の変更もネルソンスはするようである。
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