パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

和製ポゴレリチ金子三勇士のショパンに満喫

こんなユニークなピアニストが日本にいるが驚きである。メインはリストだったが、数曲ショパンが演奏され、それが注目された。


今夜のベストオブクラシックは、ピアニスト金子三勇士の公開演奏会の放送であった。(2019・6・16)


ショパンでも夜想曲変ホ長調Op9-2の演奏が注目された。


冒頭の8分音符の和音が最弱音で弾かれると、次の小節の縦線の上にフェルマータが掛けられて、演奏が始まらないないのだ。


これで聴衆は度肝を抜かされた。


テンポの遅さもユニークである。若ければ若いほど超スピードで弾きまくるのであるが、なぜかクレッシェンドなども粘着性のある独特の節回しがある。


poco rall  Tempo1の指定のあるところであるが、大きなリタルランドを掛けて音を切りながらテンポが次第に落ちてゆくのである。


こういう大胆な解釈が出来る人らしい。


それで想起されたのがポコレリチで、和製ポコレリチと呼びたい。


終わり方もユニークであった。


rallent,smorzt.と記された所から次第にテンポが落とされ、Tempo1でa tempo(元のテンポに戻り)いささか速くなり、後半でテンポが落ちてラレンタンド(明白にテンポが落ちて)間が入って、3つの和音で終わるといった手間のかかる終わり方をした。


この辺は和製ポゴレリチならでわの人を食った終わり方である。


余談だが、ユニークな名前だと思っていたが、真田三勇士とは丸で関係なく、ミューズ(音楽)の神から取った「みうじ」と呼ぶらしいと思いきや、単なる三番目の子とのことだ。ユニークにこしたことはない。