ヤンソンスの告別演奏会ブラームス4番
こんな所で芸術論をぶつけるのは野暮というものだろう。おそらくヤンソンスの生きた便(よすが)を見るだけでミュンヘン市民は満足だったに違いない。それでも渾身の力をふりしぼって76歳の藝術を燃焼したことに敬意を表したい。
今夜はヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団でブラームスの交響曲4番の演奏であった。(2019・10・11)
それから一か月半の11月30日に逝去したのだ。ヤンソンスの白鳥の歌となった演奏会だった。
前半は重たいテンポで演奏され、よほど体調が悪いと感じた。しかし己の藝術を燃焼し尽くそうと考えたヤンソンスは只では起きなかった。
第二楽章。
98-101小節のティンパニに解釈を与えていた。
ヤンソンスは各々8分音符2つ、通常は後半は一打にするのだが、トレモロを4分音符分打たせた。
もはやオーケストラに任せろ、と言いたいところだ。
「吉村寝ろ」と不眠不休で大阪府民のパンデミックに対処してきた吉村知事にエールを送ったが、「ヤンソンス棒を振っていろ」ということになる。
ここは病身のヤンソンスの渾身の藝術かも知れない。
第三楽章。
331小節のティンパニにヤンソンスはお別れの一打を授けた。
ヤンソンスの一撃は永遠に忘れないであろう。
心に沁(し)みたsfの一撃であった。
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