パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

ミュンヘン・フィル盤の秘密バント指揮ブラ1番

何でミュンヘン・フィル盤があるのか、秘密が分かった。第四楽章の演奏が独特な解釈なので、この為に買ってもお得という意味だ。


クラシック・カフェで、フィナーレの一部を聞いていて、独特なものがあるなあという印象でした。改めて全曲を堪能しました。


バントは1983年にN響でもこの曲を指揮して、なかなかの名演でした。


第一楽章。
アウトバーンをスポーツカーで走る快速の出だしは驚きました。序奏が終わる頃には通常のテンポに戻り、185小節の8分音符を刻む頃には重いテンポになっている。


474小節のティンパニで、驚くべき解釈があった。


バントは強烈なアクセントを掛けて打たせました。これはすごい。


さて、そういうことは、ケンペ、ミュヘン・フィルもしていた。いわばミュンヘン・フィルの伝統らしく、バントはそれに敬意を払ったらしい。さて、上の473-479小節の金管をfで演奏させたのがN響であった。


第四楽章。
94-99小節のティンパニに皆さんは驚かれるでしょう。


この2つの4分音符の強打(ff)に驚いて下さい。


これを聞くだけでCDを買った得がある。そういうお値打ちの演奏です。


さらに219小節のティンパニで、4分音符にバントはフェルマータを掛けて2倍伸ばして演奏させていた。


とても4分音符のトレモロとは思えない長さです。


たぶんバントの演奏の頂点が此処にある。何でそういう演奏が出来るのか。苦肉の策というものなのだろう。


267-270小節、ホルンが4回演奏されるところです。


N響では最初のホルンにリテヌート(テンポを落とす)がありましたが、ミュンヘン・フィルでは淡白でした。


そして382-388小節のティンパニです。


385は誤りで、382小節なのですが、上記の金管を一貫してffで演奏させたのがバントN響なのだが、そのやり方をティンパニで演奏させたのが、緑色の色鉛筆が、飯守泰次郎仙台フィルであった。世界で一番ブラ1番を上手に演奏する男は飯守泰次郎だ。


これはバントより飯守泰次郎の方が優っていたかな、という演奏でした。欧米のどの演奏より優れていた。


竹下登の孫ダイゴは、祖父が三代の悪行を一身で背負ったために、人畜無害な孫になった。父親や伯父のアクの強さで、山田一族では飯守泰次郎は人畜無害な人と見られていたが、一族で一番アクが強い男になった。(誉め言葉です。)人名辞典を見ていたら、父親は3行、伯父は10行、飯守泰次郎は15行だった。一族で一番有名な人になった。慶賀に堪えない。