絶妙なテンポ落ちに神技アンドルー・マンセのベートーベン交響曲2番
本来は古楽器の出身者のアンドルー・マンセであったが、フィナーレに見せた絶妙なテンポを落とすセンスと技は神技とも言うべき技量が隠されていた。
今夜のベストオブクラシックは、アンドルー・マンセ指揮ハノーバー北ドイツ放送フィルハーモニーで、ベートーベンの交響曲2番の演奏であった。(2019・11・6)
第三楽章。
ダカーポの終結部でテンポを落とし、反復して終結部でテンポを落として終了したが、そんなところにもマンセの並み並みならない才能がうかがえたであろう。
第四楽章。
コーダに入り一度テンポを落とし終結部に向かって一気加成にスピードを上げてゆくのはフルトベングラー様式とでも呼べそうであるが、古楽器出身のマンセには褒め言葉にならないので、やめておこう。だがそういう演奏であった。
355ー372小節で、マンセは絶妙にテンポを落としてゆく演奏をしたのであるが、神技とすら呼びたい微妙な変化を付けていた。356小節のオーボエにポコ・リタルランドでわずかにテンポを落とさせた。
359-361小節ではポコ・ラレンタンド、つまりテンポ落ちは切れ目なく徐々に遅くなるのだ。362-366小節は大胆にテンポが落ちてゆくのである。pppで最弱音でバイオリンは演奏される。
Gの372小節でffで強奏されるのだが、その為に効果はてき面に生かされた。
とてもマンセが古楽器出身の指揮者とは思えない大胆な解釈を披露したといえよう。
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