今夜のクラシックの迷宮は山田一雄の第九の全曲の演奏(1943・1・1)であった。第四楽章の抜粋でお茶を濁されたら、第一楽章は聞けなかったわけだから、さすがにこの番組の見識があったわけだ。 どういうわけか、第一楽章以外は端正な演奏であった。面白かったのがこの第一楽章であった。 213-214小節のr... 続きをみる
2021年7月のブログ記事
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アメリカの指揮者ライアン・バンクロフト(1989-)は、ニコライ・マルコ指揮者コンクールの優勝者ということらしい。それにしても驚くべきモーツアルト指揮者が出現したものだ。プラハでこれほどユニークな解釈をした人は稀であろう。 今夜のベストオブクラシックは、ライアン・バンクロフト指揮スエーデン放送交響... 続きをみる
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今夜のベストオブクラシックは、テント・ナガノ指揮オスロ・フィルでブラームス交響曲1番の演奏であった。ほとん手付かずでアンサンブルだけで聴かせた演奏であった。そういう縁でギュンター・ワントのリハーサルに参加したわけだが、ワントは相当手を入れる人であった。(2020・7・27) 第一楽章。 394-3... 続きをみる
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今夜のベストオブクラシックは、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルで、モーツアルトの交響曲39番の演奏であった。モダン・オーケストラを使ったピリオド奏法の演奏であったが、なかなか面白い演奏をしてくれた。ということでマケラは相当ボルトンの影響を受けていて、第三楽章などは見もの聴きものであった。(202... 続きをみる
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リムスキー=コルザコフ「シェヘラザード」太田弦指揮日本フィル
今夜のブラボーオーケストラは太田弦指揮日本フィルでリムスキー=コルザコフの交響組曲「シェヘラザード」の演奏であった。音楽の性質上アゴギーク(テンポの伸縮)を駆使した演奏には驚かされた。従ってストコフスキーの演奏をレイディングケース(教本)に使っていることが判然とした。(2021・3・17) 第一楽... 続きをみる
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今夜のEテレクラシック音楽館は、昨年のコロナ自粛による各地のオーケストラの再開演奏会の特集であった。断片の紹介だが、なお見るべき演奏があった。 これは立派な演奏と、注目されたのが大野和士指揮東京都交響楽団の演奏だった。 第四楽章。 序奏の変則的な演奏に妙があるわけだが、大野は最後にたっぷりテンポを... 続きをみる
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ベートーベン交響曲6番アントニ・ウィト指揮NFMウロツワフ・フィル
この人は一時期は日本に頻繁に来た指揮者であった。1980年代の名演とはこういう演奏を言うのだった。そういう点では目を洗うような名演であった。ピリオド奏法にうつつを抜かしている間に根本的なものを忘れてしまった現代の演奏。この演奏にはピリオド奏法の微塵の影響もないのである。ヨーロッパの周辺にあるおかげ... 続きをみる
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ドボルザーク交響曲9番ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー
右肩下がりで低迷しているビシュコフとしてはチェコ・フィルで何とか踏ん張って欲しいものだ。ドボルザークの「新世界」も堂々たる王道を行くかと思うと、結構そこは肩透かしを食わせておいて、また満更でもないユニークな解釈を提示して人をうならせるのである。 これが所為低迷している証拠かとも思わせるが、無視で... 続きをみる
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アガサ・クリスティーのポアロ物に、ジャップ警部が引退になったらフランスのアルルに住みたいものだと言うと、食い物が合いませんぞ、と反撃する。よほど秋山和慶の「海」の方が洗練されていて、うまい。パスカル・ベロの演奏はフランスのローカル色が出ている。これを是とすれば、限りなくフランス的でこの上ない演奏と... 続きをみる