パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

代表作となったシャイー指揮ゲバントハウス管のベートーベン4番

あまり評価してこなかったのだが、シャイー指揮のベートーベン交響曲4番は彼の代表作になった名演であった。


今朝の音楽の泉で、シャイー指揮ライプッイヒ・ゲバントハウス管弦楽団でベートーベンの交響曲4番の演奏があった。(2007-9年録音)


第一楽章。
聞く前は多分徒労に終わるのかと期待しなかったのだが、聞いている内に襟を正して聞いてしまった。122-130小節の演奏である。


なんとシャイーがこんな素晴らしい解釈が出来るとは露ほども思わなかった。ダイナミクスの変化を器用に使いこなしているのだ。


未だかつてこんな演奏を見せただろうか。


18小節の演奏も良かった。


当然と言えば当然なのだが、バイオリンにクレッシェンドを掛けてfに持って行った芸当がシャイーに出来るのだと、感心した。


第二楽章。
36小節のフルートで、次のようなニュアンスの付け方をした。


シャイーはpdelce をmfからpにいたるディミヌエンドと解釈して演奏させたわけだ。そういうことは凡百の指揮者には容易に出来ない芸当なのである。


58-59小節のバイオリンにクレッシェンド・デクレッシェンドの組み合わせの演奏をさせていた。これも良い。


従来のシャイーにはこういう芸当は出来ないものとタカをくくっていたが、御見それしましたと首を垂れる名演であった。そういう意味では彼の代表作となった。