独自路線が出ていたテイルソンートーマス指揮サンフランシスコ響のマーラー5番
マイケル・テイルソンートーマスというとバーンスタインの影法師のように見られていたが、バーンスタインの影響は全くなく、独自路線が出ていた。
今夜のベストオブクラシックは、テイルソンートーマス指揮サンフランシスコ交響楽団でマーラーの交響曲第五番の演奏であった。(2018・3・28)
第一楽章。
6小節のトランペットの1拍目の二分音符にクレッシェンドを掛けて、ダイナミックスの強調が歴然と感じられた。
テイルソンートーマスの独自路線が出ているという印象である。fをそのまま強調するというよりはクレッシェンドを掛けるというところに円熟度がある。
357、361小節のテインパニにバーンスタイン・シュットガルト放送響は、加筆しているのだが、ティルソンートーマスは全く無視している。
第二楽章。
140小節のテインパニで、彼はテインパニにクレッシェンドを掛けさせている。
こういうダイナミックスの強弱の変化に対応出来るようになったのである。
第三楽章。
299小節がら、前のリタルランド記号を受けてテンポを落とし、307小節でも前のリタルランド記号を受けてテンポを落とした。
744小節では大きなリタルランドを掛けたのである。
テイルソンートーマスの眼を見張るような芸術の円熟した極致を、ここで感じるわけである。彼もすでに老巨匠の範疇に入る人物であることを今更ながら痛感した。
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