ベートーベン交響曲3番英雄バイグレ指揮読響
ベーレンタイター版の英雄を指揮したブロムシュテットN響とバイグレ指揮読響では、かならずしも同一でない所が出て、それなりに面白かった。多分ブロムシュテットの方がベーレンライター版の楽譜に忠実であって、異にする所はバイグレの個性と見た方がいいのだろう。
今夜のベストオブクラシックは、バイグレ指揮読響でベートーベン交響曲3番英雄の演奏であった。
第一楽章。
154-156小節の第一バイオリンで、バイグレはファゴットにその旋律を演奏させたのには驚かされた。
そして演奏を聴く限りでは、全くバイオリンの音はしなかった。木管のパートと言えば言えるわけで、ベーレンライター版がそうなっているのか、どうか。
大胆な変更でもある。さすがのブロムシュテットも躊躇したのではないか。
第二楽章。
30小節のチエロだが、ブライドコップ版ではsfになっているがベーレンライター版ではクレッシェンドになっている箇所だ。
これは既にブロムシュテッドN響の演奏でも聞いていて、ブロムシュテッドがぜひ日本に紹介したいという所であった。
バイグレの演奏ではおまけが付いていて、31小節のテインパニまであった。たぶんブロムシュテットではテインパニは無かったと思う。
130-133小節の低弦を、読響でもお馴染みのスクロバチェフスキは楽譜がffのところをpにした演奏が思い出される。(2002・9)
183-184小節のチェロで、やはりベーレンラター版で初めて発見されたクレッシェンドをバイグレはやっていた。
232小節のテインパニは、ベーレンライター版は無しということで、バイグレも打たなかった。
旧版ではちゃんとテインパニの一打がある。
245小節の第一バイオリンの8分休符については問題があるので、今は言及しない。
第三楽章。
トリオに入って、59-75小節の弦楽器で、バイグレはどうゆうわけか、ビオラにソロで弾かせたのが洒落て粋な雰囲気を醸していた。
これがベーレンライター版の指定なのか、バイグレの好みだかは不明である。
バイグレの演奏はベーレンライター版を思い存分に紹介した効果はあった。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。