ドビュッシー交響詩「海」ミルガ・グラジニーテ=ティーラ指揮ロサンゼルス・フィル
ミルガ・グラジニーテ=ティーラ(1986-)は女流指揮者で、逸材の名が高い。なるほど濃厚な解釈が見られたのも不思議ではなかろう。初版を使用し、第三楽章の一部では改訂版使用という使い分けをしていた。
今夜のベストオブクラシックは、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ指揮ロサンゼルス・フィルでドビュッシーの「海」の演奏であった。(2019・4・6)
第一楽章。
練習番号<13>-3の第一バイオリンの後半で、ディミヌエンドを掛けてラレンタンド(斬次減速)という手に出た。
これは意表を突く解釈であった。尋常な指揮者ではない末端を表した。
第二楽章。
コーダのフルートで、ラレンタンドを掛けたのも見逃せない。8小節前に同じ音型があるわけで、一般的には同じ演奏だろうが、差別化を図った。
どうしてどうして凡百の指揮者には出来ない解釈だ。
さて第三楽章は間髪入れずにアタッカで、第三楽章に突入したのであった。
<55>の前でも、オーボエの小刻みの旋律にリタルランドを掛けたのである。
この箇所は、色々な指揮者が独自な解釈を披露する所で、まあ色々な解釈があるものだ。その群雄割拠にこの人も自分を挿入したのだからたいしたものだ。
<62>のコルネットで、初版の方を使用していた。
改訂版はすべて反復に変更したわけだが、初版は後半を伸ばしている。
以上の詳細な解釈の妙を出していたと言えよう。
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