シューマン交響曲1番鈴木雅明指揮NHK交響楽団
この交響曲の導入部で全エネルギーを燃焼し尽くした感があるほどヘビーな演奏になった。それだけ人後に落ちない独創も発揮したように思われる。
今夜はシューマンの交響曲1番を鈴木雅明指揮NHK交響楽団で演奏された。
第一楽章。
冒頭から鈴木はこだわりを持っていて、素直なかたちではファンファーレを吹かせなかった。
鈴木は一回目と二回目のファンファーレは同じではなく、二回目はだいぶ遅く吹かせていた。二倍遅いテンポと感じた。
最後の3っの4分音符は、リタルダンド(次第にテンポが遅くなる)を、ワルター(ニューヨークフィル)と前田昭雄(芸大室内管弦楽団)と同様にしていた。
次が、8小節のテインパニで、鈴木が加筆をしていたのがユニークで、世界で一人であろう。
多分10小節のテインパニも加筆していたのであろう。
13小節のテインパニの後半で、大胆にクレッシェンドさせていたが、これもユニークであった。
さて、482-483小節のフルートで、鈴木はポコ・リタルランドでテンポを落とした。
リタルランドしたのが、前田昭雄指揮芸大室内管弦楽団であった。
前田昭雄といえば音楽学者で知られた人だが、この演奏は演奏家としても第一級の才能のあることを示した。前田昭雄の方が印象が深いのである。前田昭雄の8割方といったところが鈴木雅明であった。
第四楽章。
4小節の3拍目に鈴木はフェルマータを付けて、伸ばしたが、これもユニークな解釈だ。
170小節のホルン・ソロで、フェルマータの後でブレスさせていた。これも印象が残った。
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