パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

独奏に華を持たせ過ぎたエッシェンバッハのブラームスのピアノ協奏曲第二番

今夜のNHKFMはN響定期公演ライブであった。エッシェンバッハ指揮でブラームスのピアノ協奏曲第二番(シモン・バルト)の演奏であった。いささか独奏に華を持たせ過ぎてしまったが、それでも独特のものがあった。


第一楽章。
エッシェンバッハはシモン・バルトと指揮とピアノ・ソロとを交代で受け持ち、一番と二番とを交互に演奏したというのだから、才人は違うのもだ。しかし名演奏はそんな遊びから生まれるとしたら大間違いであろう。刺し違いで命を落とす緊張がなれれば名演は生まれないように、ミスつてしまつたというのが今回の結論である。


とはいえ、感銘深い演奏がなかったというのではない。むしろ注目すべき一点があつた。
195小節のクラリネットのメロディーをエッシェンバッハは、どういう理由かホルンに差し替えて演奏させていたいたのだ。


エッシェンバッハはクラリネットのパートをホルンに演奏させたのだが、そういう楽譜に異同のある版があるのか、エッシェンバッハの独創なのかは不明である。


今夜の演奏会は後半のシェーンベルクの編曲がメインであることは分かるが、そのためにシモン・バルトのピアノに華を持たせたのは残念でならない。やはりフルトベングラーがフィッシャーを食い、トスカニーニがホロビッツを食うところが面白いのだろう。