パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

驚くべき初演版ブラームス交響曲第一番とシャイー指揮ゲバントハウスの演奏

ブラームスの交響曲第一番の第二楽章には初演版があり、シャイー指揮ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団の演奏があるという。聞いて驚きとはこのことで、第一バイオリンの長いメロディーの間に、オーボエの長いメロディーが挿入されていて、またバイオリンのメロディーに戻り、驚天動地とはこのことだ。


ブラームスとは優柔不断と言われているが、優柔不断にもほどがある。現行版はまさに床屋で整髪された凛々しい姿なら、初演版はああでもないこうでもないと悩むブラームスの乱雑な姿がある。


ブラームス交響曲第一番の現行版の第二楽章である。
第一バイオリンの冒頭で開始されると、ホルンが出て来て、第一バイオリンに戻り、15小節に及ぶ長いメロディーが演奏される。


ところが初演版では、わずか2小節演奏されて、8分休符が置かれたところで、17小節に見られるオーボエのメロディーが挿入されているのだ。これは驚天動地だ。


延々とした第一バイオリンが演奏するメロディーの間に何故かオーボエがしゃしゃり出てソロを吹くのである。


これが1876年の初演時にはこう演奏されたのだという。


さて、今日のオペラ・ファンタスティカはシャイーの指揮でトスカの演奏であったが、余った時間で、初演版の演奏が紹介された。(DECCA  UCCD-1388/90)


そこで、第一番の楽譜には初稿版、初演版、現行版の3種類があることになる。


クライスラー旧蔵の初稿版と初演版が同一でない証拠がある。