パスカルの葦笛のブログ

クラシック音楽のテレビやFMの放送からその演奏を視覚(楽譜)で再現します。後から読むだけでどんな演奏だったか理解出来ます。

金管の加筆が効果的だった山田一雄指揮N響のシベリウス第二番

フィナーレで大胆な金管の加筆が効果てき面であった山田一雄指揮N響のシベリウス交響曲第二番の演奏であった。


今夜のNHKFMのN響ザレジェンドは、山田一雄指揮NHK交響楽団でシベリウスの交響曲第二番の演奏であった。(1976・10・13)


この人としては楽譜への加筆は珍しいことであろう。シベリウスは代表的な交響曲作家であるからオーケストレーションは完璧という世評があるものの、第二番はかなり欠陥も指摘されている。コリンズなども大胆な修正をほどこしてシベリウス指揮者の名声を確立しているほどで、イギリスでは容認されているようだ。


第四楽章。
Aの20-24小節のトランペツトを山田は加筆して演奏させていた。


そしてマゼール(ウィーン・フィル)は、Bまで金管をリタルランド・リテヌート・リタルランドと組み合わせてテンポを落とさせて演奏させている。マゼールの演奏が第二番の決定盤の感があるのもうなずける。最後の3つの二分音符を極端なリタルランドで演奏させていて、山田もそうしているのが印象的であった。


Mの1小節前の金管で2拍3拍にリテヌートを掛けてテンポを落としたのが、マゼールと山田の解釈であった。


Sの1-4小節のトランペツトを、加筆して演奏させていたのが山田で、作曲家とわいえシベリウスの及ばらる所を補完したというべきか。


その積極的な姿勢がシベリウスの名演を生んだといえよう。


さて山田一雄には、フランクの交響曲の名演(東京フィル)があるのだが、ぜひ発掘してもらいたいものだ。