驚異のアンサンブル、ガードナー指揮ベルゲンフィルのブラームス2番
驚異のアンサンブルというと機能主義でクリーブランド管のような優秀なオーケストラを思うが、田舎のオーケストラがアンサンブルに命懸けで演奏するというのがいい。そういう演奏でした。 今夜はガードナー指揮ベルゲン・フィルの演奏でブラームスの交響曲2番の放送だった。(2019・11・17) 第一楽章。 速い... 続きをみる
驚異のアンサンブル、ガードナー指揮ベルゲンフィルのブラームス2番
驚異のアンサンブルというと機能主義でクリーブランド管のような優秀なオーケストラを思うが、田舎のオーケストラがアンサンブルに命懸けで演奏するというのがいい。そういう演奏でした。 今夜はガードナー指揮ベルゲン・フィルの演奏でブラームスの交響曲2番の放送だった。(2019・11・17) 第一楽章。 速い... 続きをみる
佳演だったマーラー4番ミゲル・ハース・ベドーヤ指揮ノルウェー放送管弦楽団
今夜はミゲル・ハース・ベドーヤ指揮ノルウェー放送管弦楽団でマーラー作曲交響曲4番であったが、なかなかの佳演であった。(2019・10・14) 第一楽章。 この楽章が一番良かった。 57小節の最後の2つの8分音符にリタルランドを掛けてテンポを落とした演奏などはなかなかのものだった。 これでベドーヤと... 続きをみる
なかなかユニークだった小林研一郎指揮東京フィルのチャイコ4番
小林研一郎の80歳記念で春チャイコフスキー4・5・6番の連続演奏会が開かれる予定であったが、パンデミックで中止になった。4番はそれとは別の演奏会なのだが、もしあったら・・・コンサートなど21年までありえない、としたら俄然貴重な演奏となってしまった。 今夜は、小林研一郎指揮東京フィルで、チャイコフス... 続きをみる
室内楽的にしてダイナミックなブルックナーだったヤルビ指揮N響のエストニア公演
室内楽的とダイナミックとは相反するが、アンサンブルの良さとダイナミックな音響が兼ね備わったブルックナーの演奏であった。フルートのppなど十分聞こえるし、24人のバイオリンの音と同等に聞こえるというのがこの演奏の特長であった。 今夜のクラシック音楽館はヤルビ指揮N響でエストニアの残響音多重のホールで... 続きをみる
フルトベングラーの正反対の解釈をしたサロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団の「魔弾」序曲
昨今は序曲に命を懸けた演奏というものがなくなったが、久しぶりの名演であった。白眉はコーダの演奏であった。フルトベングラーはここで極端にテンポを落とすのだが、サロネンは正反対の解釈に出て、アッチェレランドという加速に出た。 今夜はサロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団でウエーバー作曲歌劇「魔弾の射手」... 続きをみる
神技のアンサンブルだユロフスキ指揮ロンドン・フィルのチャイコ6番
この人は今回は楽譜に一事も手を加えなかった。アンサンブルに徹した演奏だった。相当ロンドン・フィルの楽団員をしごき上げたようだ。何十回も練習したのであろう。完璧にミスがない演奏になった。ライブでミスのない演奏なんてありえないのだ。それをやり通したのがウラディミール・ユロフスキの指揮であった。 後日C... 続きをみる
89番の演奏では世界屈指の演奏を見せた飯森範親指揮日本センチュリーのハイドン
ハイドンの交響曲89番、どんな料理の仕方があるのか、はなはだ疑問の音楽だ。しかし見事に料理し切ったのは見事だ。 たぶん欧米のハイドンの有名なスペシャリストとて、飯森範親ほどの演奏も出来ないのではないか。 今夜のブラボーオーケストラは、飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団でハイドンの交響曲89番の演... 続きをみる
恐ろしく変化したモーツアルト・オペラの演奏様式ヘンヒェン指揮英国ロイヤル・オペラの「ドン・ジョバンニ」
オペラファンタスティカの「ドン・ジョバンニ」は、英国ロイヤル・オペラの2019・10・8のピチピチの生きのいい公演の放送だ。そして別公演の映画が今年1月日本各地で上演されたもようである。これからシネマで上演されるそうだ。力が入っている。 指揮のヘンヒェンを聴きたいのが本音だったが、驚いたのはベルカ... 続きをみる
改めて注目フォークト版「リンツ」フォークト指揮ニュージーランド交響楽団の演奏
これはもうフォークト版「リンツ」と言っていいのでしょう。解釈の域を超えた楽譜の読みです。実際のモーツアルトの楽譜がどうなっているか。 トスカニーニが「タンホイザー」にここにテインパニがあらねばならないと加筆して、バイロイトに招かれた時、ワーグナーの自筆譜を閲覧すると、印刷譜が欠いていた音符が自筆譜... 続きをみる
今週は色々なことがあった。ベートーベンの話、亡くなっ皆川達夫さんの話。 まずベートーベンの話には決着がありました。 実はクラシック・クロスオーバーというクラシック音楽に歌詞を乗せて親しみやすい音楽にしたというもの。ベートーベン交響曲第七番第二楽章に歌詞を乗せて、イギリスの歌手が歌ったものであること... 続きをみる
ラジオ深夜便2時にロマニチックコンサートがある。つらつらと聞いていると、ベートーベンの交響曲第七番の第二楽章のメロディーに乗せて女性の歌声が聞こえた。 「あっ」と驚いた。クレンペラーの言った通りだ。 引用すれば、クレンペラーはベートーベンの交響曲第七番の第二楽章はオーストリーの古い民謡の「巡礼の歌... 続きをみる
今時日本では使われない古い版を使ったケレム・ハサン指揮オランダ放送フィルのオベロン序曲
26歳の若手の指揮者が、今時日本では使われない古色蒼然とした古い版でウエーバーの「オベロン」序曲が演奏された。それに相応しい演奏がありました。 ケレム・ハサン指揮オランダ放送フィルの演奏で、ウエーバー「オベロン」序曲とブラームス交響曲第二番が放送された。(2019・7・7) 今更ながらアムステルダ... 続きをみる
スクロバチエフスキ指揮NHK交響楽団のブルックナー交響曲第八番(4)
水上勉のところに村松友視と嵐山光三郎が原稿をとりに行った。水上勉は村松が原稿にさらさらと手を入れるのをニコニコして見ている。次に嵐山の番になって、同じように原稿に手を入れようとすると、鬼になって「阿呆か」と言った。天下の幻冬舎の見城徹は勝手に石原慎太郎(100万部)や五木寛之(100万部)に手を入... 続きをみる
スクロバチエフスキ指揮NHK交響楽団のブルックナー交響曲第八番(3)
先に読響が手をつけ、後でN響が大きく育てる。この手がバント、スクロバチエフスキであった。そう考えると読響には相当のプロモーターがいることになる。しかしいかんせん民間は即戦力で、大きく育てる時間がない。フランスではもう終わった人のジャン・フルネを都響は実に大きく育てたものだ。ノイマンなどは年金がもら... 続きをみる
スクロバチェフスキ指揮NHK交響楽団のブルックナー交響曲第八番(2)
この人が本当に注目され始めたのは、ザールブリュッケン放送交響楽団の指揮者になって、ブルックナーを録音しはじめた頃だ。それまではセル直属の強腕なオーケストラ・トレーナーという能力である。そういう生活に終止符を打って、格落ちの地方オーケストラの指揮者になったのは、自由が効くからで、そこで本当は腹に貯め... 続きをみる
今までの天才はどこへ行ったのか?天才ディユメイから凡人ディユメイへの豹変ぶりに驚いている。ベートーベンの交響曲第四番は終始おざなりに演奏されて終わったのである。名演を期待していたのだが、残念でならない。 第一楽章。 ディユメイは今音楽に身が入らない事情があるのか、精神がいらだっているようだ。35小... 続きをみる
スクロバチェフスキ指揮NHK交響楽団のブルックナー交響曲第八番(1)
スクロバチエフスキ(1923-2017)は93歳で死んで、2016年にはなおも来日公演があったといえば、2006・5・12の演奏はさらなる11年の深化を考えると、過渡期の演奏と言えなくもない。そんな詮索は後にして、詳細を追ってゆくことにしよう。 第一楽章。 冒頭の原始霧は重たいテンポで開始された。... 続きをみる
身振りは豚骨味は東京ラーメン広上淳一指揮東フィルの「スラブ行進曲」
広上淳一は身振りは山岡家のコテコテの豚骨ラーメンだが、味は薄味でそれほどでもないと思っていた。東京フィルでフェドセーエフの「スラブ行進曲」と比較してみると、まったくレシピが同じなのに愕然とした。としたら広上淳一の認識を新たにしなければいけない。 今夜のブラボーオーケストラは広上淳一指揮東京フィルで... 続きをみる
ベートーベンの指揮弾りを彷彿とさせたリシエツキ指揮アカデミーの第二番
ベートーベンはピアノ協奏曲第二番を指揮し弾いたわけだが、リシエツキはアカデミー室内楽団を指揮してピアノを独奏した。それはまるでベートーベンを彷彿するものであった。 今朝のNHKFMのクラシックカフェは、若手ピアニストのヤン・リシエツキ指揮とピアノでアカデミー室内管弦楽団の放送があった。 小沢征爾の... 続きをみる
ミスター・ユニークの名に恥じないプレトニョフ指揮東フィルのビゼー
ミスター・ユニークの名に恥じないプレトニョフのビゼーの交響曲の演奏であった。この曲は単純過ぎてなかなか難物で、ほとんどの指揮者は扱いに苦慮し、したがってまず名演がない。その中で第二楽章にプレトニョフは活路を見出した。 今夜のNHKFMのブラボーオーケストラは、プレトニョフ指揮東京フィルでビゼー作曲... 続きをみる
決定盤「展覧会の絵」の出現鬼才ハンヌ・リントウ指揮オランダ放送フィル
チエリビダッケ今亡き以上「展覧会の絵」を面白く聴かせる指揮者はハンヌ・リントウ以外いまい。そう確信する名演であった。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは、ハンヌ・リントウ(1967-)指揮オランダ放送フィルによるムソルグスキー作曲ラベル編曲の「展覧会の絵」であった。リントウは今年52歳の中堅... 続きをみる
世界の最先端のモーツアルト解釈山田和樹指揮横浜シンフォニエッタ
日本から世界に発信するということはありえないわけだが、その例外が宇野功芳や山田和樹のモーツアルト解釈であった。メヌェットでの山田の装飾音符の演奏は世界の最先端のモーツアルト解釈であった。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは、山田和樹指揮横浜シンフォニェツタでモーツアルトの交響曲第36番、第3... 続きをみる
この人がこんな大見えを切れる人だったとは思わなかった。フィナーレのティンパニの大連打で一音節切ってはほとんど楽譜を無視した演奏は、演奏史上に残る逸脱であった。この一曲で永遠の名声を獲得したと言える。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは、飯守泰次郎指揮仙台フィルでブラームス交響曲第一番の演奏で... 続きをみる
バイグルの読響常任指揮者就任のお披露目の演奏会であるが、含蓄のある名演で開始したのはめでたい限りだ。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックはバイグル指揮読響でベートーベンの交響曲第三番「エロイカ」の演奏であった。(2019・5・24) 第一楽章。 93-94小節オーボエで、リテヌートを掛けてテン... 続きをみる
フィナーレで大胆な金管の加筆が効果てき面であった山田一雄指揮N響のシベリウス交響曲第二番の演奏であった。 今夜のNHKFMのN響ザレジェンドは、山田一雄指揮NHK交響楽団でシベリウスの交響曲第二番の演奏であった。(1976・10・13) この人としては楽譜への加筆は珍しいことであろう。シベリウスは... 続きをみる
ブラームス第二番は「こうもり」序曲より軽かったウェス指揮NHK交響楽団
ブラームスの交響曲第二番の演奏はヨハン・シュトラウスの「こうもり」序曲の演奏よりも軽かったウェス指揮NHK交響楽団の演奏であった。これは同曲を指揮したカイルベルト以下の人と見なされたはずだ。 そこで思い出したのが、ウェス晩年ウィーン交響楽団での同曲の演奏だ。ウェス(1914-1987)は30年間変... 続きをみる
コンドラシン以来のスリリングな「新世界」であった。あまり地元の二流のオーケストラがザルツブルグ音楽祭に参加するのは類例がないが、ガーリの来歴も不明な指揮者なのだが、登場した理由はよく解る。優秀な人材が他にいないからだ。注目株ということか。 今夜のNHKFMのザルツブルグ音楽祭特集は、ガーボル・ガー... 続きをみる
なかなかの創見があったミナーシ指揮モーツアルテウム管の「リンツ」の演奏であった。反ピリオド奏法の牙城であったザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団であったが、テインパニは完全にピリオド奏法で終始し、落城の感に堪えないが、ミナーシの創見あるモーツアルト解釈で救われる。 今夜のNHKFMのベストオブク... 続きをみる
フィナーレで大どんでん返しをした尾高忠明指揮大フィルのブルックナー第三番
尾高忠明はブルックナー交響曲第三番フィーナーレで大どんでん返しの意匠をこらした解釈を提示した。あるいは小林亜星のちゃぶ台返しと言ったらいいか。あっぱれと言うしかない。 今夜のNHKFMは、尾高忠明指揮大阪フィルによるブルックナー交響曲第三番「ワーグナー」の演奏であった。(2020・1・16) 第一... 続きをみる
シューリヒトの影響を受けたヤルビ指揮のブルックナー交響曲第七番
パーボ・ヤルビの円熟は只者ではないと思っていると、やはりシューリヒトの多大な影響がありました。なるほどと納得できる名演でした。ブルックナー交響曲第七番は次世代に継承される伝承芸を得たわけです。 今夜のNHKFMのN響定期公演ライブは、パーボ・ヤルビ指揮ブルックナー交響曲第七番の演奏でした。(202... 続きをみる
時代錯誤のシンバルを加えたヤノフスキのブルックナー交響曲第八番
ヤノフスキはなぜ時代錯誤で悪しき伝統と言われたシンバルの加筆を、クナッパーツブッシュは1回なのに2回も演奏させたのか。彼は確信犯である。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは、マレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン・フィルでブルックナー交響曲第八番の演奏であった。(2019・8・31) ブルックナー... 続きをみる
ラトルのマーラー交響曲「大地の歌」第四楽章「美について」の解釈が傑出していた。「美について」なら、さぞ美しい解釈にしなければならないだろう。そこをラトルは諧謔性(ユーモア)と解釈して徹底的にデフォルメしたのだ。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックはサイモン・ラトル指揮チェコ・フィルで、マーラー... 続きをみる
ギュルケ版を使用して成功したジョルディ・サバール指揮「運命」
古楽器演奏はどことなく研究発表会臭いきらいがあるものだが、サバールはギュルケ版「運命」の楽譜を使用して、圧倒的な迫力を発揮した。とりわけ第三楽章と第四楽章との連結では当代の巨匠の解釈に古楽器演奏の陣営から一泡吹かせた大逆襲を放った。お見事でしたと敬服した。 今夜のNHKFMのベストオブクラシックは... 続きをみる
自然皮のティンパニの音甦る屈指の名演マタチッチ「レオノーレ」第三番
この演奏の最大の魅力は自然皮の昔懐かしい玄妙な響きがするティンパニの音だ。ベートーベンはこの音を聞いて作曲したのである。それにホールの響きがいい、録音は当時としては驚異のステレオ録音だ。この好都合をさらに上回るマタチッチの名演が良かった。三拍子、四拍子揃った名演だった。 今宵のN響ザレジェンドは、... 続きをみる
驚くべき初演版ブラームス交響曲第一番とシャイー指揮ゲバントハウスの演奏
ブラームスの交響曲第一番の第二楽章には初演版があり、シャイー指揮ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団の演奏があるという。聞いて驚きとはこのことで、第一バイオリンの長いメロディーの間に、オーボエの長いメロディーが挿入されていて、またバイオリンのメロディーに戻り、驚天動地とはこのことだ。 ブラームスと... 続きをみる
今年はベートーベンの記念年。初っ端から開かずの金庫から金瓶が出てきた。おそらく数多の珍品が続出するベートーベン記念年。これ以上の掘出物はあるまい。この演奏は金無垢の金瓶です。 ベートーベンの交響曲第二番。通説では二番から三番に天才の飛躍がある。しかしハイドン風の一番から三番の前哨戦である二番への飛... 続きをみる
独奏に華を持たせ過ぎたエッシェンバッハのブラームスのピアノ協奏曲第二番
今夜のNHKFMはN響定期公演ライブであった。エッシェンバッハ指揮でブラームスのピアノ協奏曲第二番(シモン・バルト)の演奏であった。いささか独奏に華を持たせ過ぎてしまったが、それでも独特のものがあった。 第一楽章。 エッシェンバッハはシモン・バルトと指揮とピアノ・ソロとを交代で受け持ち、一番と二番... 続きをみる
後期ロマン派の爛熟味があったエッシェンバッハ指揮N響のマーラー第二番
今夜のNHKFMはN響定期公演ライブで、エッシェンバッハ指揮N響でマーラー交響曲第二番の放送であった。ますます円熟味を増すエッシェンバッハのマーラー解釈は未曾有の深化を遂げている。第二楽章は古今東西の名演を壊滅させたと言って良いだろう。 マーラー解釈には、二通りある。後期ロマン派としてのマーラーと... 続きをみる
今夜は、シモーネ・ヤング指揮N響で第九の放送がNHKEテレであった。FMでは放送されなかったような気がするのだが。(2019・12・21) この人は楽譜を忠実に再現しているように見えて、意外に楽譜をいじっている。そこがいい。 第一楽章の213-215小節の木管で、楽譜はリテヌート指定があるが、21... 続きをみる
フルベンとクナの演奏を再現した空前絶後のスウイトナーの「ロマンティック」の演奏
今夜のN響ザ・レジェンドは、スウイトナー指揮N響でブルックナー交響曲第四番「ロマンティック」の放送であった。何が驚いたかといえば、1971年現在、スウイトナーがフルベンとクナの演奏を再現して見せたということだ。二人の演奏を是としているわけだが、たぶんその後急速に二人のように演奏する者が皆無になり、... 続きをみる
遅いテンポから加速する(アッチェレラント)朝比奈隆のベートーベン第四番
先日のN響ザ・レジェンドの残り放送、朝比奈隆指揮N響ベートーベン交響曲第四番の演奏である。 手持ちに、新日フィルの全集から、第四番の演奏がある。(1989年)朝比奈隆80歳の記念で、いわば朝比奈芸術の集大成の意味があるが、1995年の演奏を聴くと、単なる経過点の意味しかないことになってしまった。ス... 続きをみる
むしろワインガルトナーを祖述した朝比奈隆指揮N響のベートーベン交響曲第七番
今夜のNHKFMのN響ザ・レジェンドは朝比奈隆指揮NHK交響楽団の演奏で、ベートーベン交響曲第四番、第七番の放送であった。(1995・12・13) 朝比奈隆はこの演奏会のインタビューで、ベートーベンが書いた最大の物は第七番でfffを出現させたことであったと述べたという。 そういうこともあってか、従... 続きをみる
バックハウスの放埓なカデンツとベートーベンのピアノ協奏曲第四番
今回の(12・4)の「バックハウス変奏曲」では珍しくベートーベンのピアノ協奏曲第四番が全曲放送された。それで、何故全曲なのかと考えた。どうもそれは放埓なカデンツにあったらしい。もちろんバックハウスの自作のカデンツなのだが・・・。 さて、この四番は、ベートーベンのパトロンのロプコウィッ公に献呈され、... 続きをみる
今週のNHKFMは「バックハウス変奏曲」を放送している。バックハウスのショパンが意外に魅力的なのに驚いた。 ショパンの「子犬のワルツ」の演奏だが、バックハウスは超速球で駆け抜けて、濃くに欠けるきらいがないではない。 パハマンのブレスをバックハウスは踏襲しているが、むしろ平坦な表現で終始し、速度の方... 続きをみる